魚道夫人

未成年なので夫人じゃないです

攻撃力の高いアイス【小説】

おはようございます、魚道夫人です。

 

今回は一度、あの意味不明な作品から離れて、普通の記事を書きたいなと思いました。

 

今回のテーマは防御力の高いアイスです。

 

硬いアイスと言えばあずきバーが有名ですよね。

 

空気の含有量が少ないから硬いそうです。ムズカシイコトハヨクワカリマセン。

 

あずきバーはアイス界の王です。世界一硬いとも言われているし、サファイヤの硬度を超えるとも言われています。(人間の歯の10倍近く硬い、それがあずきバー。)

 

ん??

 

と、いうことは!!!これで、物騒な事件も起こせるのでは…?

 

今回はそんなことに気付いたので短編の小説を創作していきたいと思います。

 

あずきバーパニック

 

「これ、市販の刃物じゃないかも知れません。」

 

鑑識が塚本刑事に言った。塚本は、この事件の担当刑事だった。

 

8月15日未明、三重県××市で町田 加奈子さん38歳が殺害されました。死因は刺殺であると警視庁は先程発表しました。詳しい死亡原因は今後明らかになるそうです。以上現場からお伝えしました。

 

塚本は報道陣をかき分けながら現場の立ち入り禁止テープをくぐった。

 

「それでさっき言ってた凶器の件だが、刃物じゃないなら何なんだ?」

 

「それが、不明なんです。死因が刺殺であることは間違いありませんが、傷口から見て包丁やナイフの類ではないと思うんです。例えば…石器のような、荒い先端なんです。」

 

「そうか、分かったら、また教えにきてくれ。それと、被害者の身元は分かっているか?」

 

「ええ、それはもちろん。免許証等の被害者の私物は全て保管しております。」

 

「よし。じゃあ、ちょっと、現場を軽く見たら、俺は聞きこみ調査に行くから。」

 

現場は5階建てアパートの6畳間リビングであり、被害者宅。

 

 

連絡がつかず心配になった家族が訪れたところ遺体を発見。死後1日後のことであった。

 

塚本はアパートの住民や通行人に話を聞いたが有力な情報は得られなかった。

 

鑑識も新たな証拠を発見できず、捜査は完全に行き詰ってしまった。

 

なんとなく、塚本はキッチンに向かった。キッチンには無造作に、すりおろし器と包丁が置かれており、微かに水垢のようなものが付いていた。

 

 

「おい!これを今すぐ調べろ!!」

 

塚本は鑑識に声をかけ早速調べさせた。

 

ナイフとすりおろし器には少しだけ小豆が付着しているという結果が出た。

 

 

鑑識はこの結果に肩を落としたが、塚本は違った。

 

(もしや…!!)

 

塚本は次に鑑識にキッチンのシンクも調べさせた。

 

すると、また微かに小豆が付着していたのだ。排水口には大粒の小豆がふにゃけた状態でこびりついていた。

 

塚本は念の為、鑑識にDNA鑑定もさせた。

 

6時間後、被害者のDNAが出たという連絡が入った。シンクに僅かに血痕ついていたのだ。

 

「凶器は間違いなくあずきバーだ。」

 

塚本は断言した。

 

「…え?」

 

「今すぐ、あずきバーのアイスの棒か包装紙を探して、全てDNA鑑定に回せ。あと、すりおろし器とナイフは指紋をとっておいてくれ。」

 

ゴミ箱の中にあったあずきバーのゴミのうち2つは被害者のDNAと一致したが、もう1つは別の人のDNAであった。

 

まもなく、職務質問に引っ掛かった怪しい女性とDNAも指紋も一致し、無事容疑者は逮捕された。

 

鑑識はトリックが分からずしばらく混乱していたが、意外にもあっさり容疑者は自白した。

 

*以下、容疑者の供述

私、友咲 葵は、町田 加奈子を殺しました。憎かったんです。

 

友達なのに、私の夫と不倫していました。許せませんでした。

 

そこで、加奈子の家に行った時に、手土産としてあずきバーを持っていったんです。

 

私は元々知覚過敏でなかなか食べられないので細かくして食べるから、と加奈子に言ってナイフとすりおろし器を借りました。

 

両端を切り落とし、軽く削って先端を尖らせました。そして背後から刺しました。

 

あずきバーなら溶けるし、凶器も見つからないから捕まらないと思ったんです。完全犯罪になるなと。すりおろし器とナイフをそのままにしたのが致命的でしたね。

 

友咲 葵に後悔の念や反省の色がまるで見えず、刑事ら一行は怒りを覚えた。同時に事件の全貌が明らかになった安心感もあった。

 

数年後、塚本はある夏の捜査の休憩中にあずきバーを食べた。右の前歯が欠けた。

 

 

 

以上です。いかがでしたでしょうか。

 

つまり、あずきバーは歯を折る可能性もあるので気をつけましょうってことですね。これが私からのメッセージです。

 

おやすみなさい。また別の記事で。